ホームページは自分で作れる?

「専門知識がなくても、誰でも簡単にホームページが作れる」!?

・・というようなことを謳うサービスが、質・量ともに急激に充実してきたように感じます。

Googleで「ホームページ 自作」「ホームページ 自分で」などと検索すると、上位にはわらわら広告やら比較サイトやらが出てきますね。

ちなみに2022年6月現在では、こんな感じ。

ざっと、

  • Wix
  • BiNDup
  • STUDIO
  • Jimdo
  • WordPress

あたりのサービスが出てくると思います。

※この記事では↑のうち、主に「Wix」「STUDIO」について言及してます

これらは、「ホームページ・・作りたいけどお金はかけたくない・・自分で作れるなら作ってしまいたい!」そう考えている方にとっては渡りに船のようなサービスに見えると思います。

でも、本当に誰でも作れるんでしょうか・・(作れてしまったらWebデザイナー不要ジャン)?いきなりですが、わたしの中での結論はこちらです。

(機能的なことは一旦置いておきます。)

わたしの意見:誰でも作ることはできるが、プロが作った方が良いものができる

・・・至極フツーのことを言ってますね笑。そこを敢えて「なぜそういう結論に至るのか?」言葉を分解しながら解説していきたいと思います。

「誰でも作ることはできるが、」の真意

「誰でも」に関しては、すこし補足すると「ある程度パソコンを使える人なら誰でも」ということになるでしょう。もう少し具体的に言うと、パワーポイントやワードで図形を描いたり、文字入力をしたり、画像を挿入したり、が難なくできる人を想定していると思います。WixやSTUDIOも見た目を作る際の操作・・たとえばちょっとした図形を書くような操作はパワーポイントなどと同じ感じです(実際はほとんどドラッグアンドドロップです)。ホームページの「公開」までに最低限必要な操作も、示されたガイダンスに従っていけばできてしまいます。なので、そのレベルの人なら何かしらカタチをこさえることはできる・・そういう意味で「誰でも作ることはできる」と言えると思います。

「プロが作った方が良いものができる」の真意

「プロ」とは、「ホームページやバナー広告など、Web関連のデザイン・制作を専門としている人」とここでは定義しておきます。ここからは、なぜプロが作った方が「良い」と断言しているのか?言い換えると、なぜプロが作るものにお金を払う価値があるのか?を考えていきます。

(プロが作った方が)「良い」とは、何が良いのか。

1. 効率が良い

いきなりですが、何を作るにしても、実際手を動かして「作っている時間」って全体からすると大したことなかったりします。ではどこに持っていかれているかと言うと「迷っている時間」と「分からないことを解決しようとする時間」だと思うのです。

具体的には、「迷っている時間」は「どんな見た目にしようかな〜、何の写真を使おうかな〜、ここに何て書こうかな〜、どうしようかな〜・・」というようなことであーでもない、こーでもない、をしてる時間ですね。

「分からないことを解決しようとする時間」は、「こんな感じにしたいのに、どうしたらいいの!?」という状況になってあれこれ調べたり、途方に暮れたり(笑)する時間です。

では、プロのWeb制作者はどうでしょう。当然ながら、ホームページを作ることに慣れているので、「迷う時間」が圧倒的に少ないです。また、冒頭で挙げたWixやSTUDIOのようなサービスは(「誰でも」使えると上では書きましたが、)ホームページを作るための専門知識があった方が仕様を理解しやすいので、使っていて「分からない!」という状況に陥りにくいです。

つまり「迷っている時間」と「分からないことを解決しようとする時間」を節約できるということなのです。これはデカいです。

2. 伝わりやすい

ホームページを作るプロ、というといわゆる「Webデザイナー」という言葉から連想して「洒落た見た目をこしらえてくれる」人を想像されるかもしれません。

しかしながら、専門スキルはそれだけではありません。あなたの良さを引き出し、あなたが伝えたいことを、「伝わりやすいように情報を整理して構成」を考えています。いわゆる情報設計というやつですね。詳しくは別の記事で書きたいなと思いますが、伝える順番、メニューや階層構造、選択する言葉なんかを考え、整理・調整するという作業がここに含まれます。わたしは長年、製品の使い勝手(使いやすさや伝わりやすさ)を専門的に扱ってきたのでこのプロセスをとても大事にしています。Webデザイナーは、この「情報設計」の意に適う「見た目の美しさ」を載せることで、「伝えたい人に、伝えたいことが伝わりやすい」ページを作る専門家なのです。

3. 差別化できる

センスに自信がない・・という人の強い味方がデザインの雛形、いわゆる「テンプレート」です。WixやSTUDIOにも沢山のテンプレートがあります。一見どれもデザインが良くて、これをベースに文字を入れ替えるだけで自分のモノになるなんて、ちょっと夢のようですよね。ところが、残念ながらテンプレートはあなたのために作られたものではありません(当然ですが)。つまり、いろんな人に使ってもらいやすいように当たり障りのない配置になっていたり、自分が選んだテンプレートを別の誰かが使っているかもしれないという心配もあったりします。その点、デザインの引き出しをたくさん持っているのがプロです。ヒアリングや取材からあなただけの「らしさ」を引き出し、ホームページのデザインに反映してきます。結果として、他とは違う「これがウチのホームページだ」と胸を張って言えるデザインをご提供することができるのです。(という自分への戒め。)

作り手としての見解

作り手としては、ホームページを作る過程のうち、結構大変な部分を自動でやってくれるので純粋にすごいサービスだなー・・と思います。とはいえ、その「大変な部分」まで自力で作るのと比べると制約が多く、実現できる表現の幅はかなり限られます。実際、「こういう風に見せたいのに!」ができないこともまだまだあります。それでも、大部分の人が考える「こういう風に見せたい」は工夫と発想次第でけっこうカバーできるんじゃないかなと思っています。ここは意見が別れるところだと思いますが・・

わたし(Salida Design)の場合

実はわたし自身、ホームページ制作のご依頼に対しては冒頭に挙げたサービスのうちWix、STUDIO、WordPressのいずれかでの制作をご提案しています。

Salida Designのお客様が望まれるであろうデザインが実現でき、かつわたしの得意なことを活かすには十分だと思っているからです。それに、わたしにとって大変な作業をサービスが肩代わりしてくれる分、安くできるからです。(これらで実現できないような独自の表現や機能をお望みなら、デザイン以外の部分だけ「その道のプロ」にお任せするか、ゼロからの制作に長けた制作会社さんなどをご紹介するかなと思います。)

「(WixやSTUDIOを使って)自分で作ろうとしたけど、やっぱり任せたい」というご依頼も大歓迎です。使い方をレクチャーしながら部分的にこちらで作って、内容の追加はお客様の方で・・(そして費用を抑える)というやり方も、アリですね!柔軟に対応しますのでお気軽にご相談ください。

↓こちらからどうぞ↓

それでは、また。