わたしが一人で制作する「理由」と「割り切っていること」

Salida Designの中の人は一人です。紙媒体もホームページ(以下、「Webサイト」と表記しますね)の制作も、基本的には一人で請け負っている、いわば「一人制作者」です。

(この記事ではWebサイト制作の話をしますね。)

一般的にWebサイトの制作には、制作会社などでは多くの人が関わっています。お客様の対面に立つ営業、制作全体の指揮管理を行うディレクター、サイトのデザインを受け持つデザイナー、ブラウザに表示させるためのコードを書く、いわゆる実装を担うコーダー、エンジニアなど。案件の要求によってはさらに沢山の人が関わることになると思います。

ちょっと大袈裟な言い方になりますが、わたしはそれら全てを一人でやってることになります。

当然、会社と同じようにはできないことも多々あります。自分で言うのも変ですが、わたしのような「一人制作者」頼んでいいことあるんですかね?(笑)

・・・おそらく、いいことと、致し方ないことがあります。

その全てを語ることはできませんが、少しだけお伝えできればと。今回はわたし目線で、「一人で制作する理由(メリット)」と「一人であるが故に割り切っていること」を整理してみました。

一人で制作する理由

まずは、「なぜ一人で制作するのか」の理由について。わたしが一人で制作することの「メリット」と感じていること、に言い換えられると思います。

大きく二つあります。

制作のプロセスを柔軟にしたいから

Webサイトの制作プロセスは慣習的に、一つ一つの「工程」を順番に進めていきます。要件定義が済んだら、ワイヤーフレームを作る。ワイヤーフレームができたら、デザインに取り掛かる。デザインが完成したら、コーディング(実装)をする・・といった具合で、それぞれの工程には締切があり、最終的に「納期」があるということになります。

一方、一人での制作ではあまり「順番」や「工程」にこだわってません。もちろん、基本的な制作の流れは同じですが、「前の工程が終わらないと次に進めない」とは考えていないということです。

具体的には、たとえば「ワイヤーフレーム→デザイン→実装」というプロセス。わたしはワイヤーフレームが7割型できるころにはデザインも始めちゃってます。またその頃には、基本的な部分だけは実装も始めちゃってたりもします。

雑にやってるのでは?と言われそうですがそういう訳ではなくて、理由があるのです。

まずワイヤーフレームは、そう簡単に「完成」しません。ワイヤーフレームはサイトの「骨格」ですからとても重要です。

なので、これを作り上げるにはお客様との綿密な対話が必要だと考えています。対話の中で、こちらの提案が「違う(=修正する必要がある)」ことに気づくこともありますし、部分的にお客様側で「ちょっと考えたい」とか「関係者に確認するから」といった感じで持ち帰って考えてくださることもあります。

つまり、時間がかかるのです。

ですが、対話を重ねることで着実に前進しており、「決まること」もどんどんと積み上がっていきます。その「決まったこと」をベースに、デザインや実装に着手することはできるので、お客様の回答を待っている間などにできることを先に進めておくことが可能なわけです。

そういう感じで、工程をパラレルに進められると効率的ですし、前進している実感も感じやすいのです。また、全ての工程を「対話をしながら徐々に」完成させていくようなスタイルなので、「やっぱりここ変えて!」のような後戻りも起こりにくいですし、あってもあまり痛手ではありません。そうするとお客様にもプレッシャーをかけずに進めることができます。

このような柔軟なプロセスは一人だからこそできるなぁ、と思っています。

お客様との間に「伝言ゲーム」がないから

お客様の窓口は常にわたしです。そして、作る人もわたしです。

「お客様と話をする人」と「作る人」が別だと、お客様の発言や要望を人から人へ伝える必要があります。その人たちの間にさらに何人かの人が介在していたら「伝言ゲーム」の始まりです。全く言った覚えのない話を、最後の人が「お客様の発言」として受け取ってしまう・・情報共有の仕方にきちんと気を配っていないと、そんなことが起こり得てしまうのです。

その点、一人ならお客様からお聞きした言葉をダイレクトに制作に活かすことができます。

それに、コミュニケーションは言葉だけではないところも重要だと思うのです。表情とか、ちょっとした“間”とか・・直接会話すると、そいういった非言語な部分も含めて、お客様の思いを精度高く受け取ることができると感じています。

(直接、と言っても基本オンラインです・・ここでの「直接」は間に人を介さない会話・・所謂「又聞き」ではないよ、という意味です。念のため。)

一人だから、割り切っていること

逆に、一人なのでできないことももちろん沢山あります。いや、無理すればできる!とは思ってません。できないことはできない、その代わりできることを丁寧にやる・・その点をご理解いただくしかないと思っています。

短納期での納品はできない

プロセスを柔軟にし、一人でもなるだけ効率的に進めるように努めてはいますが、一人が一日でこなせる作業量を二人分にするのは純粋に無理です。

そして個人的な事情ではありますが、わたしは事実として二人の娘の母親なので、イレギュラーな事態への対応により数日丸ごと潰れてしまうようなことも、ある程度想定に入れておかなければなりません。

もちろん、自分自身の健康管理も重要なので無理は禁物なのです。若い頃は徹夜で間に合わせるみたいなことも普通にやってましたけど、もう身体的にキツイですね。

また、わたしはお客様との対話を大切にしながら進めたいと思っているので、その意味でもあまり急いでの制作には向いていないのかなと思っています。

コーディングは基本、しない

わたしはずっと「デザイナー」として仕事をしてきたので、コーディングは正直あまり速くないです。全く書けない訳ではないですが、無駄に時間がかかりますし、再利用性や保守性に優れた「綺麗なコード」には自信がないです(努力はしますが・・)。

なので、WordPressなど「コードを書かなくてもサイトを作れるサービス」を利用することを前提としています。デザインのカスタマイズなどのために最低限のコードは書きますが、基本的には自分が得意な部分である、企画からデザインの方に比重を置きたいと考えています。

一人じゃ無理だったら、人に頼む

前提を覆すような話ですが、分量や必要な技術的に一人では無理と判断されたら、信頼できる第三者にヘルプを頼むこともあります。一人での制作に頑なにこだわって、お客様に迷惑がかかってしまったら本末転倒です。矛盾するような言い方になりますが「一人で制作するなら、他の人に助けを求めることを躊躇するべきではない」と思っています。

「一人」の制作者として

今回はかなり自分目線の記事になってしまいましたが、「一人で」制作するわたしにお任せくださる方に、常々お伝えしたいと思っていた内容です。

大変ありがたいことに制作実績を見た上でご依頼を決めてくださる方もいらっしゃいますが、「本当にこの人に頼んでも大丈夫なのかな?」と不安になることもあると思います。そんな方々への、ご検討の一助になればと思い書いてみました。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。